職人気質の院長が治療も作製も手がける早川歯科医院の保険の総入れ歯 作り方の工夫ブログ(入れ歯)一覧です。

保険の総入れ歯 作り方の工夫

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保険の入れ歯の印象は、アルジネートで取る場合が多いと思います

が、アルジネート一発の印象では完成義歯がどのようになるかは明白

です。

そこで、保険でもいい入れ歯を作る工夫を考えています。

トレーレジンやオストロンで咬合床を作り、咬合採得時に床の内面に

フィットチェッカーを盛って噛んでもらうのです。つまり咬座印象で

す。

その印象に石膏を流してから、咬合器に付けます。

もう一回、排列してから試適時に同じことをやることもできます。そ

の場合は完成蠟義歯を作っておき、フィットチェッカーをつけたまま

埋没して重合します。

フィットチェッカーを印象材として使えるのでは、と思ったのが20

年位前で、おそらく、どこかに同じことをやっている歯医者がいるか

もしれない、と思っていたら

東歯の先輩、丸森賢二先生の「総義歯の臨床」に載っていたのにビ

ックリしたことがあります。さすがに色々と考えておられます。

アルジネートはアルジエースを35年間とアローマを使っているが、

一発では無理です。

ダメでもうまく使えばひょっとして、と可能性をさぐっていたがもう

うんざりしてきた。人間と同じで早急に結論は出すべきではないとの

信念見たいなのがあったためでした。

アルジネート印象材はイボクラのビバールがいいです、国産とは全然

違います。



いずれのアルジネートもやわらかく圧をくわえないように34度から

36度の水で練っています。

室温を考慮しながら、ぬるま湯に入れた自分の左手が温度を測る。

硬さを決めてから口に入れて10秒で固まるように温度を調節しま

す。

そば打ち職人と同じです。

口に入れてから5秒から10秒で硬化し始めたら、ころあいをみて手

を離す。

そのまま硬化完了まで、祈る気持ちでじっと待つ。

20秒以内に外せれば成功。

たまに口に入れる前に固まってしまうことがありますが、もう1度や

るだけです。

普通は、すぐ固まらないため印象材が垂れて、隙間ができているのに

気がつかない。

垂れないようにかたく練ると、顎堤に圧が加わっているため、できた

入れ歯は調整しなければだめです。
 

最初の印象は無圧で取りたいのですがが、無圧の印象材は石膏か寒天

です。

昔、私の学生時代に父親が石膏で印象を取っているのを見た記憶があ

ります。もちろん当時は何をやっているのかわかるはずもありませ

ん。

何十年か前には寒天印象用のシステムがありましたがどういう訳か普

及しなかったですようです。

これらは保険の印象で自費の場合は主に仮義歯を使ってのダイナミッ

ク印象で行っています。そのために治療中の痛みを感じないで完成義

歯が出来上がるので術者にとってもストレスを感じません。


なお、フィットチェッカーはガスが出るため30分以上たってから石

膏を流します。
 

      

            (2013/09/10)

 

 

 


 

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